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あいさつ

 2015年9月に開催された国連サミットにおいて、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。そこに記載された環境・経済・社会についての国際目標がSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)です。現在、SDGsの推進に向けた取組が様々な分野で拡がり、人々の意識や行動を変えつつあります。

 農林水産省が、食料・農業・農村を巡る政策を立案する際に考慮しなければならない情勢の変化として、ほぼ間違いなく取り上げているのが、このSDGsへの貢献です。食料は、我々の生活に必要不可欠なものであり、農業はその食料を供給する機能とともに国土保全等の多目的機能も有しています。そして、農村は農業の持続的な発展の基盤としての役割を果たしています。このため、食料・農業・農村政策はSDGsの達成に率先して貢献することが可能なのです。

 一方で、2020年度の我が国の食料自給率はカロリーベースで37%と、再び過去最低となりました。国民の食料を安定的に供給するには、農業の国内生産だけでなく農産物の輸入等を適切に組み合わせて確保することが必要です。しかし、近年、気候変動による生産減少や新たな感染症の発生による輸入の一時的な停滞など、安定供給に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが世界各地で顕在化しています。不測の事態が生じた場合に備えて農地や農業労働力を確保するには、持続的な農業生産を展開する場として農村が必要であり、その価値は揺るぎありません。また、農村で環境調和型の農業生産活動等が推進されることにより、生態系サービスの保全や地域の魅力向上にも繋がります。

 2020年初頭から続く新型コロナウイルス感染症は、人口や経済活動の大都市への過度な集中が不測の事態に対し脆弱であることを大きく印象付けました。また、テレワーク、兼業・副業等の新しいスタイルの働き方が急速に拡大するという副産物も生み出しました。その結果、U・Iターン等地方への移住を考える人々が若い世代を中心に増加するなど、これまでの田園回帰による人の流れに加えて、農村への新たな人の流れが今まさに生まれようとしています。

 我が国の農村は、人口の高齢化・減少が都市に先行して顕在化し、農業の基盤だけでなく、地域コミュニティの衰退の危機にあります。だからこそ、このような社会経済の大きな変化を着実に捉え、農村に新たな風を吹き入れながら、その持つ価値や魅力を活かしていくことが重要です。

 全国農村振興技術連盟は、農村の振興という目標を共有する、多様な組織の技術者、研究者等が総合的な技術力の向上を目指して情報交換、出版、研修会などの活動を行う会員組織です。当連盟では、技術者という呼称はいわゆる理科系の専門分野を学んだ人だけを指すとは考えていません。目標を共有していただけるすべての方々とともに、農村に新たな風を吹き入れる一助となるような活動を展開していきます。皆様の参画をお待ちいたします。
                                 全国農村振興技術連盟
                                 委 員 長 奥 田  透